いよいよ消費税率10%がスタートした。TVなどの報道は軽減税率、ポイント還元の話で持ち切りだ。
政府が増税による景気冷え込みを回避したい気持ちは分かるが、景気対策にばかり力を入れすぎである。
消費増税で税収は5.6兆円増えるが、幼児教育・保育の無償化などの給付の拡充に2.8兆円を充てるので、財政健全化に回るのは半分の2.8兆円しかない。しかも初年度はポイント還元に2.3兆円を使うと言われているのでほとんど残らない。
増税は財政健全化への道筋を示すのが本来のあるべき姿だ。消費税に関心が集まっている今こそ国民的議論を巻き起こすチャンスだろう。
本来ならば2020年にプライマリーバランスを黒字化する目標だったはずが、昨年に早々と2025年黒字化に5年先送りされており、これといった方針も示されていない。
5年先送りすれば済む問題ではない。今こそ真剣な議論を望みたい。
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